窓の外は
雪がしんしんとふっています。
かずくんはこたつにはいっています。
「こたつってあったかくて いいなあ。」
かずくんはあくびをしながらいいました。
「かずはねこみたいやなあ。そんなにずっとこたつにはいっていると、ひからびていって、
さいごには漬物石になるんよ」
いっしょにこたつにはいっているおばあちゃんが笑いながらいいました。
「え、ぼく石になっちゃうの!?」
「そうやねえ。こどもは外で遊ばんとなあ。」
おばあちゃんは窓の外をみながらいいました。
「だって外ゆきふってるよ。」
「こどもは風の子っていうからねえ。」
分厚いメガネを鼻の先のほうにずらしながら、おばあちゃんはかずくんに笑いかけました。
「わかったよ!おばあちゃんのその顔ずるいなあ。」
かずくんは しぶしぶこたつからでることにしました。
「もー。家の中でもこんなにさぶいのになー。」
かずくんはダウンジャケットを着て庭にでてみました。
「わ!つもってきてる!」
かずはゆきをすこしとって団子をつくりました。
「わー!つめたい!手の感覚がなくなりそう。」
かずくんはおとうさんが玄関におきっぱなしにしていた軍手をとりにいきました。
「これだと少しましかな。」
かずくんは雪のだんごをすこしずつ大きくしていって、小さな雪だるとすこしおおきな雪だるまをつくりました。
「あ、この木のえだで顔をつくってみよう。」
すこし おおきなゆきだるまのほうには木の枝をしかくくしてめがねのようにしました。
雪はますますふりつもり風もふいてきました。
「そろそろはいりなさい。風邪ひくで。」
おばあちゃんのこえが聞こえました。
「はーい!」
「さむかったろ。こたつ入り。手がまっかっかやねえ。」
「うん。ゆきだるまつくってたんだ。」
かずくんはこたつにはいりながらいいました。
「そうか。こたつでぬくめたらええでぇ。」
おあばあちゃんはかずくんに笑いかけました。
「あったかいな。」
かずくんはおばあちゃんにくっつきました。
かずくんもおばあちゃんもとてもあったかくなりました。
そとはますます雪がふりつもり、二つのならんだゆきだるまは、雪にうもれていきました。
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