ミラと星のいのち5

ミラと星のいのち

ミラとおじいさんは、さんぽからかえってきました。

ミラのこしにのきんちゃくには いっぱいの木の実が入っています。

ミラとおじいさんは楽しそうにお話をしています。

 家からゴトゴトと音がしました。

ミラが家の方を見ると、出かける前に 少しだけあけていた窓が 全部あいています。

ミラは カラダじゅうの 血がいっせいに 地面に抜けていったようでした。

なにかいやなものが 全身をさすように駆け巡っています。

「チッチ……チッチッ!!」

ミラは家へかけ込みました。

 ふわふわまくらは まっかな血で よごれています。

「チッチーーーーっ!」

ミラが叫ぶと 赤い目をギラリと光らせた黒いかたまりが、さっとまどから逃げて行きました。

その黒いかたまりは、突然やってきたミラにおどろいたのか、何かを落としていきました。

ミラは、逃げて行った 黒いかたまりよりも、黒いかたまりが落としていった何かを みるのがこわくてたまりません。 

それでもミラは、どうしてもそれをみなければならないのです。

 ミラはおそるおそる 黒いものが落とした何かに近づいていきました。

ああ、なんとざんこくなのでしょうか。その何かはミラの想像したとおり、血だらけになったチッチでした。

チッチは息をしていません。

「チッチ……ぼくのチッチ……。ごめん、ごめんね……。」

ミラはチッチを両手でやさしくかかえ、ボロボロと泣きました。


続きはこちら→『ミラと星のいのち6』最終話

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