ミラと星のいのち

ミラと星のいのち

 ミラは、年老いたおじいさんと 2人でくらしています。

「今日は少し冷えるなぁ。」

おじいさんは小さな声でつぶやきました。

夕飯のしたくをしながら、ミラはストーブの方をチラリと見ました。まきが少なく今にも火が消えそうです。

「ぼく、森へ行って、まきを拾ってくるよ。すぐ戻るから待っててね。」

ミラは夕飯を作る手をとめて、いそいで森へ行く準備をしました。

「すまんのう、ミラ。わしのカラダがもう少し動けばいいものを。お前には苦労をかけるのお。」

「おじいさん、ぼくは少しでも長くおじいさんと、いっしょに暮らしていたいんだ。それにぼくは、森に行くのが好きだからね!」

「森には、はらを空かせたダンダがおる。くれぐれも気をつてな。」

 ミラのすむイチ村には美しい森があり、そこにたくさんの生き物がくらしています。

実を言うと、ミラは冬の森は少し苦手でした。もうすぐ来る春に備えてか、森の中は一段としんとしていました。

でもよく見ると、木々の枝には先新芽が芽吹いていました。

(あたたかくなれば、森も目をさます。おじいさんの病気もきっとよくなるよね。早く拾って帰ろう。)

 ミラがもくもくと まきを拾っていると、森のおくで、チーチーと小さな音がきこえました。ミラはハッとして手を止めました。

(もししてダンダかしら。)

ミラは、ダンダの鳴き声を 聞いたことがありませんでした。というのも今まではおじいさんに ダンダの出そうなところには、近づかないように 言われていたからです。

ミラは、むちゅうでまきを拾ううちに、うす暗い森のおくへと 入ってしまっていました。

(ダンダはチーチーとなくのかな…)

ミラはダンダを見たくなってしましました。

(おじいさんにバレたらおこられちゃうかな。)

それでもミラは、音のする方へ近づいていきました。


続きはこちら→『ミラと星のいのち2』

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