(ダンダだったらぼくは食べられてしまうのかな)
ミラが一歩すすむたびに、パキッパキッと枝を踏んで音がします。
ミラはつばを 飲みこみました。
「チーチー」
音は足もとからしています。
ミラがおそるおそる目をやると、
なんと音のぬしは、ダンダではなく小さな小鳥でした。
「なあんだ。きみかぁ……」
ミラはふっと笑ってしまいました。小鳥はオレンジ色の美しい鳥でした。
よく見ると、羽をケガしていました。
「かわいそうに。ケガをして群からはぐれてしまったんだね。うちにおいで。」
ミラは小鳥をそっと拾い上げ、ハンカチで やさしく つつんであげました。
家に帰るとおじいさんが眠っていました。
ミラは、おじいさんを起こさないように そうっとまきを置き、自分の寝床から、ふわふわまくらを 取り出しました。
このまくらは、ミラのおかあさんが、ミラがあかちゃんの時に買ってくれた、 お気に入りのまくらです。
ミラはそのまくらの上に 小鳥をそうっと寝かせてあげました。
そしてケガをした羽にやさしく添木して、布を巻いてあげました。
「もう、大丈夫だよ。ぼくもむかし、ケガをした時に、おとうさんにこうやって手当をしてもらったんだ。そうしたらしばらくして、ウソみたいに、治っちゃったんだ。」
小鳥は小さな声で
「チーチー」
となきました。
続きはこちら→『ミラと星のいのち3』
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